エスカレーター事故の経緯について

「エスカレーターにおける事故は、その設置台数の増加とともに、増加してきた傾向にあります。図1は、(社)日本エレベーター協会の「エスカレーター人身事故件数調査報告」として継続的に公表されているものをグラフとしてまとめ直したものです。1980年以前のデータは、省略いたしましたが、その当時は、子供の事故が多い状況にありました。
図1を見ますと、大人の事故が顕著に増えていることが分かります。幼児~中学生を子供に分類し、高校生以上は大人に分類されております。事故件数全体でみますと、1991年公表、231件(大人161件、子供67件)、2015年公表、1390件(大人1239件、子供151件)となり、両者の比較では、6倍以上の増加に至っております。また、大人事故件数で比較しますと、1991年公表の161件と、2015年公表の1239件で7~8倍の増加となります。
 さらに別の調査報告もあります。図2では、平成30年度版の東京消防庁より公表されている「日常生活事故の実態」よりエスカレーター事故の救急搬送人員の年齢層を簡略化したものであります。1年間で1359人救急搬送のうち、60歳以上の救急搬送人員の構成比は、およそ70% を占めていることが分かります。
 エスカレーターの事故に関しては、高齢者対策が喫緊の課題になっており、弊社製セーフティーマークの取り組みを強力に推進していく必要性を感じております。

■エスカレーター設置台数と事故件数

図1)(社)日本エレベーター協会発行「エレベーター界」2005.7より

■東京消防庁管区内のエスカレーター事故年齢層別搬送人員

図2)平成30年 東京消防庁防災部防災安全課より抜粋編集